間蓄積されそれを吸い込んだ魚が腹部膨満を起こし、浮き袋に菌が侵
入することにより左右の均等がとれず腹部を水面に浮かべて浮遊する
状態になる。
この菌が鱗の内部に侵入した時に「まつかさ」の様に鱗が
逆立つ。
底砂・濾材などの洗浄が先決で、腹部膨満を起こしている魚に
は水深の浅い容器に移し薬浴が有効である
年間を通じて発生するが、低水温時、特に春に発生しやすい。散発的に発生することが多く、伝染性は低いが、水質が悪化した状態では多発することもある。全身が松かさ状態になった重症魚では治癒は期待できない。
エロモナス菌の感染による場合は充血を伴うのが特徴で、内臓に脂肪が溜まるなどの生理障害による場合は、充血がなく全身の鱗が立ち、体は透明感が強くなる。
予防
エロモナス菌は、淡水中に普通に存在する常在菌で、通常は強い病原性は持たず、感染を受ける魚体側に何らかの原因がある場合に発病すると考えられる。
水質の急変、悪化やその他飼育環境や給餌等が関与して、鯉の体力が低下した時に、細菌の感染を受け発病すると考えられるので、常に飼育環境を整え、水質、水温等の急変を避けるようにする。発生が懸念される場合は、サルファ剤(ダイメトンなど)を餌に混ぜて、一週間程与える。
治療
前述のように、運動性エロモナス菌の感染が原因以外の立鱗病もあるが、ここでは運動性エロモナス菌感染症に対しての治療法を解説する。治療は、寒冷期には水温を徐々に22℃程度に上げてから行う。
【経口投与】
まだ食欲があるようなら経口投与による治療を行う。
@魚体重1s当たりパラザン油剤0・25〜0・5gを餌に混ぜて与える。薬浴用のパラザンDを使用しないこと。
A魚の体重1s当たりテラマイシン0・5gを餌に混ぜて一週間以上投与する。
【薬浴】
細菌感染症の治療には抗菌剤、及び抗生物質の使用が中心になる。中でも、オキソリン酸を主要成分とする水産用パラザンDは、太陽光線に分解されにくく、池などに使用する場合に特に優れている。パラザンDと食塩の併用は、副作用もなく、細菌感染症に最も有効な用法といわれる。
@0・3〜0・5%食塩水による薬浴……初期症状に限り有効で、水1トン当たり3〜5s食塩を溶解し撒きっ放しにする。
A水産用パラザンDによる薬浴……水1トン当たり100tで、一日一回4時間を、7日間薬浴する。または、水1トン当たり5sの食塩を併用し、5〜7日間の薬浴。
パラザンの主成分のオキソリン酸は、水温20℃以下では吸収が緩慢で、25〜28℃の温度域で最も効率よく魚の体内に吸収され、30℃を超えると吸収速度は低下する。また6・0の条件で最も吸収が良いといわれる。
Bエルバージュによる薬浴……水1トン当たり10〜20gを溶解し5〜7日間の薬浴。エルバージュは直射日光によって分解されるので、薬浴は夕方より行い、池に覆いをする。水1トン当たり5sの食塩と併用すると鯉の体内への吸収が良くなる。
C水産用テラマイシンによる薬浴……水1トン当たりテラマイシン30〜50gと、食塩5sで、5〜7日間の薬浴。
水産用として市販される抗生物質は種類が少なく、頻繁に使用すれば耐性を持った菌が出現する危険性が懸念される。病原菌が抗生物質に耐性を獲得すると他の抗菌剤なども同時に効果がなくなることが多く、乱用は控えなければならない。

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